ベンチ奪い合い、スマホ充電で行列…これが訪日客でごった返す関空の日常
(産經新聞 2月2日)
http://www.sankei.com/west/news/150202/wst1502020005-n1.html

【ポイント】
・関空の国際線の外国人旅客数が昨年、630万人と平成6年の開港以来最多になった。
・空港内では乗り継ぎ待ちをする外国人同士が仮眠をするベンチを奪い合ったり、スマートフォン用電源の順番を待ったりする事態が発生。
 「到着時間の遅い便がさらに遅れたので、電車もバスもない。始発までここで休むつもりだ」との乗客の声。
 空港島内にはホテルもあるが、LCCを利用する外国人たちは「飛行機代を上回る値段の部屋にたった数時間の滞在なんて、ありえない」という。
 「日本のカプセルホテルは安くてクール。そんなドミトリー(簡易宿泊設備)が空港内にあれば、利用する」と不満を漏らす。
 ネットカフェ形式の24時間利用可のラウンジもあるが、独立したブースの収容可能人数は20人余りに限られ、こちらも競争率が高い。
 夜を明かす外国人などを対象に、希望者には毛布を貸し出しており、毎晩30枚程度の利用があるという。
 特にコンビニエンスストア近くのベンチは“早い者勝ち”になる人気ぶりで、終電後にはすべてのベンチが埋まる。
 ベンチの奪い合いや荷物の盗難などトラブルにも発展しかねないとして、最近ではターミナルビル交番も警戒を強化。

・外国人に不満が多いのが、スマホやタブレット型端末の充電用電源の不足だ。長旅で到着時には電源が切れているケースも多い。
 「メールチェックができないと、待ち合わせの友人とも連絡できない」と話す。

・スマホをかざせば多言語に対応して施設案内を表示するQRコードを初めて導入するなど対策を進めている。
 関空の案内は従来、日・英・中・韓の4言語に、タイやベトナム、アラビア、インドネシア、マレー語も加えた9言語対応とした。
 QRコード自体も空港内の約100カ所に掲示した。
 QRコードは、一度掲示すれば張り替える必要がなく、案内内容の更新や修正が容易で、関連ページへのリンクも可能だ。