「シティプロモーションサミット2013in尼崎」の事例発表のなかで最も驚いたのは、京丹後市の『200円バス』の事例でした。
京丹後市の『200円バス』は、どこまで行っても運賃が200円だと聞いて驚きました。最長区間の運賃が1,150円していたものを200円にしたと言うのです。

平成19年、京丹後市による丹海バスの赤字補填は9,300万円、翌々年には1億円を越えると言われていたといいます。「どうしたら赤字を減らすことができるのか」「どうしたらバスに乗ってもらえるか」を、京丹後市役所 企画政策課 公共交通係 主任の野木秀康さんは考えたと言います。

そして、市民およそ8,000人に「いくらなら乗りますか?」とアンケートを行い、何人乗れば赤字補填を抑えることができるか試算し、同額を補填するなら、1人のお客さんに1,150円を負担してもらうより、200円ルール「700円×2人ではなく、7人×200円」の方が、地域活性化につながると考えたといいます。そして運賃上限200円、利用者数1.9倍を目標に設定されます。

野木さんは、丹海バス(丹後海陸交通株式会社)に交渉しますが反対されます。粘り強い説得を続け、労働組合の幹部の方の自宅まで押し掛け説得に当たるなどの努力を重ね、最終的に合意に至ったそうです。

200円バスを実施した結果、輸送人員は2.3倍(H18年17万4千人、H22年36万5千人)、運賃収入も1.3倍に上がり、赤字補填額は1,800万円減少したと言うから、驚きです。

この事業を実現するまで、住民アンケートの実施、バス会社との交渉、市役所内部での説得と並大抵ではありません。また、もし乗客が思ったように増えなかった場合、赤字補填額は増加してしまいます。
乗客を増やすため、京丹後市がバスの時刻表とバス停マップを発行したり、便利な路線ルートを提案したり、利用者の視点に立った取り組みを続けられ、その結果として運賃収入の増加に至っています。

 「乗って下さい」と言うだけでなく、“乗ってもらうために何が必要か”を考え行動した野木さんは、本当に素晴らしい…
私は、路線バスが新しいコミュニティの場になると信じて疑いません。

https://www.youtube.com/watch?v=pDln5zWOOOs&feature=player_embedded