2020年五輪まで訪日客は増え続けるか? 日本政府観光局が戦略、自然災害の影響からオリンピック時の見通しまで聞いてきた
(トラベルボイス 2019年1月28日)
https://www.travelvoice.jp/20190128-125246

昨年の台風や地震の関西への影響は小さくない。
9月は中国、韓国、台湾、香港はいずれも前年割れで、10月以降、中国は前年を上回ったが、残り3カ国の回復は鈍い。特に韓国市場の落ち込みは関西エリアで顕著だという。
それでも東アジアは73.4%を占めるため、政府目標の2020年4000万人に向けては、2年間で年率13.2%が必要となる。

【ポイント】
2018年の訪日外国人旅行者数は前年比8.7%増の3119万人と過去最高となったが、6月から9月にかけて発生した自然災害が東アジア市場に影響を与えた。

中国、韓国、台湾、香港はいずれも9月は前年割れ。中国は、10月以降は前年を上回ったものの、残り3カ国の回復は鈍い。特に韓国市場の落ち込みは関西エリアで顕著で、それが全体の数値に影響した。
「韓国は、いったん落ちると戻りにくい」「韓国については自国経済の影響もある。香港については、リピーターが一息ついた感がある」と分析。

それでも東アジアは全体の73.4%を占めるため、政府目標である2020年4000万人に向けては「東アジアの伸長も不可欠」。
欧米豪からの訪日も11.6%と拡大。政府目標達成のためにはこの市場での取り込み強化も必要。

4000万人に向けては今後2年間で年率13.2%が必要。
JNTOのプロモーション戦略としては「全方位で行く」方針を明らかにした。加えて、富裕層、スポーツツーリズムなど新しい市場の開拓を進めるとともに、訪日無関心層に対するアプローチを強めて、市場の底上げを図っていく。

2019年のラグビーワールドカップについて、ラグビーは欧米豪で人気が高いことから、「同市場での絶好の露出機会になる」との認識を示し、新規訪日客獲得に期待感を表した。また、全国12都市が会場になることから、地方の認知度向上の好機と捉え、「ゴールデンルート以外への誘客を進めていく」。

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年については、ロンドン五輪でも見られたように混雑を嫌う旅行者が訪日を敬遠する傾向があることから、訪日客が落ち込む可能性にも触れた。

JNTOとしては、大会後の持続的な市場拡大を見据えて、大会期間中に訪日メディアに対して地方の情報を提供していくほか、メディア、選手、インフルエンサーなどを地方視察に誘導し、地方の魅力を世界に発信してもらう仕掛けを企画していく方針だ。