観光庁予算 旅客税4割減で409億円 3次補正合算は1062億円
(トラベルボイス 2021年1月4日)
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【ポイント】
2021年度の国家予算案は、一般会計が106兆6097億円となり、国債発行残高は2021年度末の時点で990兆3000億円と1000兆円目前です。観光庁の予算案は、前年度比約4割減の408億7千万円。
このうち、旅客税を財源とする予算は260億7千万円で、前年度の540億円からは約4割減となった。
主な事業は、①戦略的な訪日プロモーション(JNTO運営費交付金)74億円、②観光地、宿泊施設、公共交通機関などに受入環境整備事業34億円、③アドベンチャーツーリズムなど、インバウンド誘致のためのコンテンツ強化22億円、④ワーケーションなど普及事業5億円となった。
赤字国債を前提とした助成にも限界がありそうだ。

【 内 容 】
12月21日に発表された観光庁の2021年度当初予算案は、前年度比約4割減の408億7千万円となった。コロナ禍で税収減が見込まれている国際観光旅客税(以下、旅客税)を財源とする事業予算が縮小した。ただ、15カ月予算として当初予算と一体で編成された20年度第3次補正予算案などを合わせた観光庁予算の総額は、GoToトラベルの事業費を除いて考えると、1061億7千万円となり、前年度当初予算に比べて約5割増となった。

21年度当初予算408億7千万円のうち、旅客税を財源とする予算は260億7千万円。旅客税財源は、別途、宮内庁の三の丸尚蔵館の整備費39億4千万円にも充当され、合計で300億円を計上した。前年度の540億円からは約4割減。旅客税は出国1回ごとに千円を徴収する仕組みで、21年度の財源は、国際機関の予測などを基に、訪日外国人、出国日本人の一定の回復を見込んで算出した。

また、追加経済対策などが盛り込まれた20年度第3次補正予算案には、観光庁予算として、GoToトラベル事業の期間延長に向けた予算1兆311億1千万円を除くと、既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業など649億9千万円が計上された。加えて、21年度の東日本大震災復興特別会計には、観光庁が執行する予算として、福島県の観光関連復興支援事業に3億円が計上されている。

21年度当初予算で実施する主な事業は、
▽戦略的な訪日プロモーションの実施(日本政府観光局〈JNTO〉運営費交付金)73億7千万円
▽観光地、宿泊施設、公共交通機関などに補助金を交付する訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業33億8千万円
▽アドベンチャーツーリズムの推進など、新たなインバウンド層の誘致のためのコンテンツ強化22億3千万円
▽ワーケーションなどを普及する「新たな旅のスタイル」促進事業5億円。

また、旅客税を財源とした予算260億7千万円は、観光庁に一括して計上されているが、他の省庁に振り替えて執行される観光関連予算が含まれている。
他省庁の事業は、宮内庁の三の丸尚蔵館整備費以外に、文化資源を活用したインバウンドのための環境整備=文化庁69億7千万円▽国立公園のインバウンドに向けた環境整備=環境省49億6千万円▽円滑な出入国・通関等の環境整備=法務省40億8千万円/財務省5億3千万円。