民泊エアビー、新たな「泊りがけタビナカ体験」の立ち上げ責任者に聞いてきた、日本の展開からアドベンチャー観光への期待まで
(トラベルボイス 2019年7月22日)
https://www.travelvoice.jp/20190722-134116

Airbnbの体験にはユニークなものが揃っているが、体験市場は乱立気味となり、ホンモノ志向の旅行者にコト体験をどのように繋ぐのかが課題だ。
今回、「体験」と「宿泊」を組み合わせたAirbnboのサービスが誕生するという。
しかし、ホストの資質、他では得られない体験の開発と、ツアーの造成は容易ではなさそうだ。
2017年のアドベンチャーツーリズムの市場規模は約6,830億ドル(約68.3兆円)だという。今後に期待したい。

【ポイント】
Airbnbは、既存の「体験」と「宿泊」を組み合わせたサービス「アドベンチャー」を立ち上げた。
同社アドベンチャー統括のキャロリン・ブーン氏は「エアビーは常に興味深い旅の開拓に力を入れている。現在提供している『体験』はこれまで大きな成功をおさめてきた。今こそ新しいカテゴリーを立ち上げる時」と意気込んでいる。

「世界にはユニークなデスティネーションがたくさんある。旅行者は自分の目で見て感じことができる体験を求めている」と分析。エアビーの「アドベンチャー」は、人生観が変わるような特別な体験を集めているという。
現在、同サービスは世界200件以上をリスティング。アクティビティ、宿泊のほか送迎や食事も加えたいわゆるパッケージ商品として提供している。
現地エキスパートがホストを務めるのは、エアビーが創業以来続けてきたCtoCのビジネスモデルと変わらない。

日本での展開は、パートナーであるアドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション(ATTA)がアドベンチャーのベストプラクティスを作り上げている段階。
「日本での『体験』の予約数は世界有数。料理教室、街歩き、地元コミュニティーとの交流など人気のツアーは多い。『アドベンチャー』も高い潜在性があると思う。日本での展開もそう遠い話ではないだろう」との見方を示した。

アドベンチャーのコンテンツは「コロラド州の断崖絶壁でのキャンプ」「ケニアで戦士と一緒にライオンを追跡」などスーパーアクティブなアドベンチャーがある一方で、「アーミッシュの村でのファームステイ」など文化的体験や地域コミュニティーと交流するアドベンチャーも多いという。
「80日間世界一周の旅」も提供する。今年9月1日にロンドンを出発し、6大陸18カ国をめぐり、現地ではローカルホストの案内でさまざまなアクティビティを体験する。第8週目には日本にも立ち寄り、大阪、紀伊半島、熊野古道を巡る。一人あたり55万5941円だという。
ユニークでアクティブな体験がそろうが「安全性が最も重要な要素」と言葉を強める。
アドベンチャーではATTAのガイドラインにそってプログラムを造成。「技術が必要なアクティビティは、実施前に参加者へのトレーニングも設けているし、ホストもそれぞれの分野で専門的な資格を持った人も多い」と自信を示した。

ATTAの試算によると、2017年のアドベンチャーツーリズムの市場規模は約6,830億ドル(約68.3兆円)。
2012年比で21%増加しており、今後も毎年拡大していくと見込まれている。「モノを買う旅行だけでなく、現体験や地域との交流に価値をおく旅行はますます好まれていくだろう」。