DBJ・JTBF アジア・欧米豪、訪日外国人旅行者の意向調査 2024年度版
(2024年10月11日)
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/1d6c21a2539fa8b5edaa811e8eb3e31d.pdf

【ホッシーのつぶやき】
「次の海外旅行」も日本が55%とトップの人気です。大阪・関西万博の認知度は50%に上り、大阪・関西万博へ行ってみたい訪問意向も70%あるといいます。
旅行者はアジア、欧米豪ともにミレニアル世代(25~39歳)が増加し、中高年層が低下、オーストラリアでは次の海外旅行先は日本が1位ですが、アメリカでは3位に後退し、国際間の競争激化を感じます。
訪日旅行が好調なのは「円安」の影響が大きく、恩恵を受けた旅行者は「数量を多く購入」「高価な食事」「宿泊のアップグレード」などでお金を使っています。
また、オーバーツーリズムは日本としても問題ですが、外国人も混雑を避ける傾向が出ているようです。

【 調査結果の概要 】
1、次の海外旅行先として引き続き高い日本の人気、再訪意向もアジア、欧米豪ともに高い。
・次の海外旅行先としての日本の人気は引き続き高い。訪日リピーターの多い台湾や香港をはじめとするアジア居住者においては高い水準でトップを維持、欧米豪居住者も人気は高い。
・訪問経験者の再訪問意向率でみても、海外旅行先としての日本の人気は高い。
日本への訪問経験率と再訪意向率が高いアジアにおいては、日本は何度でも旅行したい国であることがうかがえる。日本への訪問経験率が相対的に低い欧米豪においても、訪問経験者の再訪意向率は高いことから、欧米豪の初回訪問の誘致が重要である。
・水際対策が大幅に緩和された2022年10月以降の訪日旅行の傾向として、アジア、欧米豪ともにミレニアル世代(25~39歳)の割合が増加し、中高年層の割合が低下したこと等が挙げられる。

2、地方訪問意向は引き続き高水準である一方、 地方部の観光地の認知や訪問経験は低水準
・日本の地方訪問意向率は97%と引き続き非常に高いが、日本の地方部の観光地の認知率や訪問経験率は低いため、地方観光地には高いポテンシャルがあるといえる。
・日本の観光地の認知率と訪問意向率の関係をみると、高い相関関係があり、地方の観光地の認知向上策の検討が重要である。
・地方訪問経験率を初訪日者と訪日リピーターで比較すると、アジア、欧米豪ともに訪日リピーターの経験率が高いため、訪日リピーターに向けた情報発信等が地方部への回遊をより促すと考えられる。
・訪日旅行意向者の7割以上が2025年開催予定の大阪・関西万博への訪問を希望しており、万博をきっかけとした訪日旅行に期待もあるため、特に西日本地域においては、万博をフックにした誘客への取り組みも望まれる。

3、地方部の消費拡大にあたっては地域資源を活用した体験活動に可能性あり
・消費額向上のために体験活動に着目し、活動の実施場所を都市部と地方部で比較すると、都市部での実施割合が高い体験が多く、地方部での実施割合が高い体験は全体の2割に留まる。「雪景色観賞」や「アクティビティを楽しむこと」「自然や風景の見物」等、自然資源を活用した活動は地方部での実施割合が高い。
・活動別の支出割合では、「有名な史跡や歴史的な建造物の見物」や「日本庭園の見物」等、 見物を主とした活動は、都市部よりも地方部の方が支出した人の割合が高い。
・活動別の平均所要時間は100分前後に集中している一方、1時間あたりの消費単価には差がみられる。「紅葉の観賞」や「近代的な建築物の見物」「伝統工芸品に関する活動」は1時間 あたりの消費単価が高い。

4、コロナ禍前と比較してオーバーツーリズム等の旅のトラブル経験は同水準日本の観光地の維持存続への貢献意識は上昇
・新型コロナ収束後の訪日旅行においては、円安が訪日旅行の決定や日本での積極的な支出の後押しをしている。一方、需要増も影響し、オーバーツーリズムを含む旅行のトラブル・面倒を経験したのは訪日旅行経験者の半数で、新型コロナ流行前の2019年と同水準となっている。
・観光資源・施設の混雑緩和や保護のための入場料値上げや税の賦課については約6割が賛成、 2019年から約20ポイント上昇している。サステナブルな取り組み実施を重視する割合も7割以上と引き続き高い。

日本は、次に観光旅行したい国・地域として、1位を継続。

アメリカでは、次の海外旅行先としてイタリアがトップ。前回調査と比較すると、ニュージーランドが2位に上昇している一方、日本は2位から3位に低下している。

オーストラリアでは、次の海外旅行先として日本は高い人気を維持している。

円安実感者を対象に円安で得をした分の使い道を尋ねたところ「直近の訪日旅行では使わず」と回答した人を除き、約9割が訪日旅行時の消費行動に変化があったと回答している。

訪日旅行でのトラブルや面倒を見聞きした経験では、約3割が「観光地・観光施設の混雑」と回答している。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の認知率は訪日意向者全体の約5割、前回調査と比較して約20ポイント上昇。万博に行ってみたいと思う人は、訪日意向者全体の7割以上となっている。