【データ】都道府県SDGs調査2020
(観光経済新聞 2020年8月15日)
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「SDGs」という言葉を知っている人は21%で、具体的な内容を知っている人は1割弱だというが、個人レベルで「ゴミの分別(44%)」「節電・省エネ(41%)」など、普段から行動している人は77%にのぼる。
「あなたの居住地域は、SDGsに配慮しているか」の評価は、配慮している27%。配慮していない23%、どちらでもないが50%となり、鳥取県が1位だった。
基本指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度)を平均した「持続度」の1位は沖縄県だが、SDGs評価指数は36位で、「貧困をなくそう」が約6割を占めている。
都道府県レベルでは「住み続けられるまちづくり」が42%最多となり、不満項目は「高齢化」31%、「人口減少・過疎化」28%となり、個人レベルでは「低収入・低賃金」が最多の35%だった。
地域レベルの持続可能性を上げるには、個人レベルの不満解決が必要であるが、地域ごとに不満は異なり、住民の声をもとに、取組を構築することが重要といえる。

【ポイント】
株式会社ブランド総合研究所は、住民目線による地域の持続性評価、悩みや不満、および幸福度や定住意欲度に関する「第2回都道府県SDGs調査2020」を実施した。

「都道府県SDGs調査」は、居住都道府県の持続性についての住民による評価と、必要だと考える活動(SDGsの17ゴール)のほか、住民が感じている「悩み」「地域への不満」について全100項目と、幸福度や定住意欲度、満足度などからなる調査を、都道府県の住民を各350人、計約16,000人の回答を集めて実施、都道府県別に数値化したもので、日本の地域が直面している課題を明らかにし、それに取り組むことで住民の満足や幸福感を高め、地域の持続性を高めることを目的としています。
ホームページ: https://news.tiiki.jp/articles/4554

<調査結果の概要>
◆地域のSDGs評価、1位は鳥取県
「(あなたの居住する)都道府県は、他の都道府県と比べて、地域の持続性を高めるために社会や環境に配慮していると思いますか」という設問(※)に対し、5段階で回答してもらった結果を、SDGs評価指数として算出した。

全国平均では、4.8%が「とても配慮している」、22.4%が「やや配慮している」で、27.2%が「配慮している」と答えた。一方で、「全く配慮していない」が8.9%、「あまり配慮していない」が14.1%で、合計23.0%が「配慮していない」と答えている。49.9%は「どちらでもない」と回答した。

都道府県別で最もSDGs評価指数が高かったのは鳥取県。
1位となった鳥取県では、「とても配慮している」11.9%と、全国平均4.8%の2倍以上。「やや配慮している(31.8%)とあわせ、住民の44%が、県の持続性への配慮を評価している。
幸福度(6位)、満足度(5位)なども高い結果であった。

※「配慮している」の平均27.2%であり、「SDGs」という言葉を認知(20.9%)していなくても、自地域の持続性についての評価は可能であるといえる。

◆持続度1位は沖縄県。ただし、県に対するSDGs評価は低め

基本指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度)を平均した「持続度」の1位は沖縄県。
生活満足度1位、他の3指標で2位といずれも高い順位だった。ただし、SDGs評価指数は36位であり、県の持続的取組に対する県民からの評価は低い。
沖縄県ではゴール1の「貧困をなくそう」が約6割で、2位の東京都の2倍となり、貧困対策の取り組みが求められている。

持続度の2位は北海道、3位は福岡県、4位は石川県だった。
5位の宮崎県では、前年に続いて幸福度は1位。SDGs評価指数は13位だった。

◆求められる、持続的なまちづくり
各都道府県でどのような活動が必要かを聞いたところ、最も多かったのは、「住み続けられるまちづくりを」だった(41.7%)。

秋田県(51.1%)をはじめ、北海道・東北地方での回答が特に多い。
20代以下の34.1%に対し、60代以上では53.3%と、過半数が必要だと回答している。
地域への不満項目で最も多かったのが「高齢化」30.8%。「人口減少・過疎化(27.6%)」「少子化(22.1%)」が続くなど、地域の持続性を不安視している人が多い。

「商店街の疲弊・店舗の減少(16.3%)」「経済の停滞(15.8%)」など、経済とまちの持続性についての不満も上位となった。

◆最大の悩みは、昨年に続き「低収入・低賃金」
個人の悩み48項目のうち、最も回答が多かったのは、昨年と同様「低収入・低賃金」35.1%だった。
「貯蓄・投資」「税金・社会保険の負担」といった、貧困に関する悩みが上位を占めている。
各都道府県に必要だという17ゴールで、ゴール1の「貧困をなくそう」は22.7%ゴール全体では4位)。

ゴール3の「すべての人に健康と福祉を」は34.3%で2位。「ストレス」「運動不足」など、健康に関する悩みが貧困と並んで上位を占めている。

「地域の持続可能性」の視点では、個々の悩みや不満に直結した問題の解決であると言える。
個々の県ごとに悩み・不満の状況は異なり、住民の声をもとに取組を構築していくことが重要である。

◆76.5%の人が、普段から環境や社会に配慮して行動している

「SDGs」という言葉を知っている人は20.9%、具体的な内容を知っている人は1割弱であった。
個人レベルで、普段から環境や社会に配慮した行動をとっている人は76.5%にのぼった。

「地産地消」「節電・省エネ」「寄付・募金」など20項目において、普段から意識して取り組んでいるという回答は1人平均3個。
「ゴミの分別(44.3%)」「エコバッグ(42.9%)」「節電・省エネ(40.5%)」「節水(36.1%)」など、家庭内でできるエコ行動が上位となった。

エコ行動では女性の取り組みが目立ち、「ゴミの分別」「エコバッグ」は女性の過半数が行動していると回答(男性は3割前後)。取り組んでいるものはないは、女性17.6%に対し、男性は約3割と、男女で意識の差が目立つ。

何らかの行動をしている人が最も多いのは長野県(83.9%)。
次いで山梨県、富山県、宮崎県、高知県の順。

<調査概要>
調査は、幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度の基本指標5項目と、SDGs評価、自地域に必要だと思う17ゴールのほか、SDGs認知度、個人の悩み、地域への不満、環境や社会の持続性につながる個人的な行動、合計144項目について実施。
• 調査方法 インターネット調査
• 調査対象 登録調査モニター(15歳以上)から居住している都道府県別に抽出
• 回収数  16,309人 (各都道府県から約350人を回収)
• 有効回答数 15,991人 (不完全回答および非居住者を除いた)
  ※各都道府県は約340人(一部で有効回答数が少ない県がある)
• 調査時期 2020年6月12日~6月29日