withコロナ時代に変わる観光サービス、航空・ホテル・オンライン旅行会社の取組みをまとめた
(トラベルボイス 2020年6月18日)
https://www.travelvoice.jp/20200618-146409

航空会社や宿泊施設では、withコロナに対応したサービスに取り組んでいる。
航空会社は、乗務員や乗客同士の距離を保ち、ヒトやモノと接触する機会を減らすため、オンラインチェックインの導入や、乗客に、消毒用シート、手指消毒剤、ペットボトルの水、マスク、スナックなどをパックにして提供。機内では、雑誌や新聞、冊子の配布を中止し、搭乗客のデバイスでエンターテイメントを楽しむスタイルにしている。
宿泊施設でも、各種ガイドラインのもと、新たな衛生・清掃基準が始まっているという。
従来よりヒトによるサービスが低下するが、「3密回避」のおもてなしはやむを得ないのかもしれない。

【ポイント】
航空会社や宿泊施設などでは、withコロナに対応した新たなサービスを開始している。各種ガイドラインを基本にしながらも、新しい衛生概念を持った消費者に対応するために生み出した施策やサービスには、各社の創意工夫が見てとれる。

航空会社:乗務員や乗客同士の距離を保ち、ヒトやモノと接触する機会を減らす方向へシフト
チェックインは事前のオンラインチェックインを推奨。自動チェックイン機でも、アプリやバーコードを活用したタッチレス化を推進。乗客側にはマスク着用を徹底。荷物は最小限に減らすよう呼びかけ、機内持ち込み荷物は頭上ロッカーの出し入れを控え、座席下に収納できる量にまとめる航空会社もある。

機内では乗客に消毒用シートなどを配布、手指消毒剤、ペットボトルの水、マスク、スナックなどをパックにして提供するサービスも増えている。ドリンクやミールサービスは、政府当局の規制や接触する機会や時間を減らす目的で、制限を設ける航空会社が多い。
エンターテイメントは、雑誌や新聞、座席ポケット内の冊子の配布を中止。航空会社のアプリを通し、搭乗客自身のモバイルデバイスで機内エンターテイメントを楽しむスタイルが増えそうだ。

衛生対策では、ユナイテッド航空が全乗客に対し、過去14日間にコロナの症状がないことを確認するチェックシートを導入し、チェックイン時に実施する。
エア・カナダではすべての空港で、乗客に対する赤外線放射式の体温測定を行なう。今後は血中酸素濃度測定など検査ツールの使用頻度を増やしていく方針だ。
ユナイテッド航空やエア・カナダでは、こうしたチェックにより旅客が旅行を取りやめる場合、別便への変更に対応するという。

宿泊施設:各種ガイドラインのもと、新たな衛生・清掃基準での運営が始まった。
客室、館内各所の清掃・消毒作業を徹底し、フィジカルディスタンスを促すサインを掲示し、ロビー等のパブリックスペースではより空間が保てるよう、家具等の配置を変更している。スタッフもマスク着用で接客する。

マリオットグループのホテルでは、希望者にモバイルアプリでの「タッチレスサービス」を提供。従来からある宿泊客のスマホによるチェックインや客室ドアの開錠に加えて、ルームサービスは料理を包装し、客室ドアの目前に届ける。
プリンスホテルでは、清掃済みの客室のドアにシールを貼付する。宿泊客に、清掃・消毒後に誰も入室していないことを伝えるのが目的だ。また、軽井沢プリンスホテルでは、コテージの宿泊客を対象にドライブスルーチェックインも開始した。

星野リゾートが比較的早い段階で「3密回避」のおもてなし対策の必要性を掲げ、取り組みを開始。
3月上旬から食事ではビュッフェ対策や客室へのテイクアウトなどを行なった。一部施設のプールや大浴場の混雑状況を宿泊客のスマートフォンに表示できるシステムも導入。「3密回避の旅=安心安全の旅」ができることを、宿泊施設が説得力を持つと訴えている。

OTA:各社の感染症対策の表示がサービスに
ブッキング・ドットコムでは「宿泊選びの新たな基準になる」とし、宿泊施設の「健康・安全に関する取り組み」の表示。「セキュリティ」「ソーシャルディスタンス」「清掃」「フード&ドリンクに関する安全対策」の4つのテーマごとにチェック項目を設け、各施設が行なっている対策を表示する。
旅行が再開される際、消費者にとって宿泊施設の健康・安全の取り組みは重要であり、不可欠となる。

宿泊予約「ゆこゆこ」でも、衛生管理と3密回避を行なう宿泊施設の表示を開始。6つの基準からなる独自のチェック項目を作成し、一目で対策内容が分かるアイコンで表示する。

トリップ・ドットコムではホームページ上で「新型コロナうウイルスから身を守るための海外旅行ガイド」を公開。

タビナカ関連の事業者は中小・個人の経営者も多く、ガイドラインが整備されていなかったり、ガイドラインがあっても施設側が運用するには課題がある場合が多い。
「ベルトラ」は、 現地ツアーやアクティビティの催行にあたり、催行会社とユーザーに訪問先の選定に留意する安全基準を策定。健康管理、衛生管理、ソーシャル・ディスタンスの確保、オンラインによるタッチレスソリューションなど、双方向の安全基準を策定することで、旅行者が安心して旅行計画を立てられるようにする。
「アソビュー」は、サイト上で取り扱うタビナカのレジャーや観光施設を対象に、対策済みの施設の表示を開始している。