中国旅行市場の予測を、世界的な旅行調査会社が発表、回復は2024年、今後の成長要因の分析も【外電】
(トラベルボイス 2023年9月26日)
https://www.travelvoice.jp/20230926-154266

【ホッシーのつぶやき】
中国の国内旅行はアフターコロナで好調だと聞いていたが、2019年60億回から、2020年28億回、2021年34億回、2022年26億回と厳しかったようだ。
フォーカスライトによると、2023年の旅行予約総額は前年比72%増の1537億ドル(約22兆6000億円)で、2019年実績を上回るのは2024年のようだ。
中国の国内経済も厳しいなか、旅行市場だけが明るいと見る方が不自然なのだろう。

【 内 容 】

米旅行調査のフォーカスライトは、このほど「中国旅行マーケットレポート2022~2026」を発表した。

中国発の海外旅行に注目が集まりがちな中国の旅行市場だが、今後の行動や消費パターンの変化を知るために、同レポートでは、より幅広く、同国の旅行市場の全体像を調査。中国ではコロナ禍が2022年まで長引いたことから、需要回復のベンチマークには2019年の数字を用いて比較した。

中国の国内旅行は、2019年の60億回から、2020年には28億回へ激減。翌2021年には34億回まで戻ったが、2022年は再び減少に転じて26億回となった。旅行への規制が解かれた2023年については、対2019年比で92%となる55億回まで回復するというのが、国旅游研究院(CTA)の予測だ。


中国の総予約総額と年率増減比、これまでと今後の予測(フォーカスライトより)

一方、フォーカスライトの中国旅行マーケットレポートでは、2023年の旅行予約総額は、前年比72%増の1537億ドル(約22兆6000億円)となり、2019年実績を上回るのは2024年としている。今後の成長要因については、以下のように分析している。

・中国の消費者の間では、もともとモバイル利用が浸透しているが、アプリ技術の向上によって、さらにマーケットの進化が続いている。その影響により、旅行消費においてもトレンドや行動様式がたえず変化し、多様化している。オンライン旅行のインフラでは、モバイル予約とキャッシュレス決済が主流になっている。

・中国の航空各社は、地域路線における熾烈な競争相手となっている。中国製の航空機の導入も始まっている。

・国内の高速鉄道ネットワークは、その規模において圧倒的だ。時速をさらにスピードアップした鉄道の導入や、快適性の向上にも取り組んでいる。

・レンタカー市場は、急速に拡大中。モバイル予約の配車サービス人気が高まるなか、こうした需要への対応も進めている。

・ホテルの新規開発が再び活発になっており、低予算型から中級クラス、ラグジュアリータイプまで、中国各地で開業が増えている。

・MICE市場も回復基調にある。クルーズ市場は、中国製の船が登場するなど、新時代を迎えている。

同レポートでは、中国マーケットの規模予測、流通トレンド、主要業種の分析、カギとなる最新動向などについてまとめている。

※ドル円換算は1ドル147円でトラベルボイス編集部が算出

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスライト(Phocuswright)」から届いた英文記事を、同社との正規提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。