紅葉シーズン控え 京都の“オーバーツーリズム”対策は
(NHK NEWS WEB  2023年9月13日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230913/k10014192581000.html

【ホッシーのつぶやき】
京都市のオーバーツーリズムは限界を超えている。京都市も啓発や情報提供を行なっているが、今、抜本的な対策を取らなければならない。
提案したいのは(不備もあるだろうが)
・市バスへのキャリーケースの持ち込み禁止(シニアカード保持者を除く)
・混雑エリアの事前予約による入場制限
・京都市周辺に駐車場を設けるパークアンドライドの常設
京都市も進めている観光の地域への分散や、時間の分散も大切だが、もう一歩踏み込んで欲しい。

【 内 容 】
新型コロナによる行動制限がなくなり、外国からの旅行者も増えている一方で、観光地に旅行者が集中することでさまざまな弊害が起きる、いわゆる「オーバーツーリズム」が課題となっています。
京都では、ことしの紅葉のシーズンに観光客の大幅な増加が予想されています。シーズンを控え、地元ではさまざまな対策がとられています。
(大津放送局 記者 門脇誉幸/大阪放送局 記者 瀬川愛生/大阪放送局 ディレクター 近藤伸郎)

バスが観光客で混雑 住民が乗車できないことも

市内に住む50代男性
「人がいっぱいだとバスに乗るのを見送ることもあります。私は足が悪いので座りたいですが、最近はほとんど座れていません」
市内に住む80代女性
「キャリーケースを持ったグループの観光客がいてバスに乗ることができなくて、地下鉄を利用したこともありました。観光客と地域の住民を分けてバスを利用できたらいいなと思います」
市は地下鉄の利用を呼びかけ

京都市は混雑を解消するため、市内を走るバスに一日に何度でも乗り降りできる乗車券の販売を9月いっぱいで終了し、来年3月で廃止することを決めています。

さらに、11月の行楽シーズンには、バスの乗客に地下鉄への乗り換え券を配り、バスよりもすいている地下鉄の利用を呼びかけることにしています。

特に混雑する夕方に京都駅に向かうバスの利用者に配付しているもので、途中で地下鉄に乗り換えても、この券を使えば、地下鉄の料金は支払わずにバスの運賃だけで京都駅まで行くことができます。

乗り換え券を配付しているバス停は、
▽東山三条駅
▽金閣寺道駅
▽銀閣寺道駅
▽岡崎公園美術館・平安神宮前駅の4つです。

このほか、地下鉄を利用して観光地に行くルートが書かれた案内図をJRの駅や観光案内所に置いて、混雑の緩和を促しています。

“京都の台所”錦市場 食べ歩きやごみの問題

串揚げや焼き物を販売するおよそ120の店が軒を連ねる、京都市の商店街「錦市場」でも、秋の行楽シーズンに向けて、オーバーツーリズムの対策に力を入れています。

「錦市場」では2017年ごろから海外の観光客が増加し、ごみのポイ捨てが課題になっていて、今後、観光客の増加に伴い、再び問題にならないか懸念しています。

食べ歩きの禁止を呼びかける貼り紙を、日本語のほか英語、中国語、韓国語の4か国語で掲示し、さらに日本語、英語、中国語でアナウンスもしています。

カナダから来た観光客
「市場で流れているアナウンスで食べ歩き禁止を知りました」
ブラジルから来た観光客
「店の貼り紙を見て、食べる時は店の端に寄って食べました」

店でも食べ歩きをせずに店の前で食べるよう、商品を手渡す際に呼びかけるとともに、専用のスペースを設けたり、ごみ箱を置いたりしています。
だし巻き卵を販売する店では、商品棚があった場所を飲食専用スペースに変更しました。
店を経営する田中久美子さんは「この市場では食べ歩きが禁止ということを知らない人もいますが、売る側にも責任があると思います。買ったものをすぐに食べたいという観光客の気持ちもわかるので、スペースを設けました」と話していました。

また、「錦市場」は道幅が狭く、地元の人が通るのが難しくなるほど混雑することがあるということです。
そこで、二酸化炭素の量で人の流れがわかるモニターを設置しました。この表示を見て行き先を変更したり訪れる時間をずらしたりするよう呼びかけています。

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清水寺の周辺 ことしも11月下旬に交通規制
清水寺などの観光スポットがある京都市東山区では、タクシーやマイカーによる渋滞が問題となっていて、紅葉シーズンを前に、11日、地元の自治会をはじめ寺や神社の関係者、それに京都市や警察の担当者が対策を話し合いました。

このなかで、観光客が集中することが予想される11月下旬の土日と祝日は、渋滞を防ぐため、
▼清水寺に続く道について、時間帯によって右折や左折での進入を禁止することや、
▼マイカーから公共交通機関に乗り換える「パークアンドライド」を促すため、周辺に駐車場を設けることなどが決まりました。

会議では、住民が日常的に使っている道路が渋滞の際に抜け道として使われるようになっていて、事故が心配だという意見も出されていました。
京都市歩くまち京都推進室の小川実さんは、「観光客に京都にまた来たいと思っていただくことも大切な一方、市民の日常生活を守ることも大事だ。しっかりと対策を進めていきたい」と話していました。

京都市 新たなオーバーツーリズム対策まとめる
オーバーツーリズムが懸念される中、京都市は11日、新たな対策をまとめました。
発表された新たな対策では、地下鉄京都駅や烏丸御池駅に電子看板を設置し、英語や中国語などで、観光で守ってほしいルールやマナーを呼びかけるとしています。
また、10月には、通訳のガイドが外国人観光客を対象に、京都の観光地を回りながら歴史や文化とともにマナーを伝えるツアーを行うことにしています。

さらに、混雑の対策として、
▼観光客が少ない朝や夜の時間帯に行われているイベントや、混雑の予測などを紹介するパンフレットを配布するほか、
▼駅と観光地を結ぶ臨時バスを増便するなどとしています。
京都市は「市民生活と調和した持続可能な観光になるよう、引き続き取り組みを進めていきたい」としています。