世界で民泊の成長ペースが鈍化、ホテルへの回帰が鮮明、一方でフランスやドイツなど異なる傾向も
(トラベルボイス 2024年2月5日)
https://www.travelvoice.jp/20240205-154940

【ホッシーのつぶやき】
米・英で民泊需要が鈍化しているという。出張業務による渡航が復活し、ホテルのリバウンド需要が活況になり、オフィス勤務が復活の兆しという。フランス、ドイツ、イタリア、スペインではまだ民泊が活況のようだが…
まあ、安かろう悪かろうの民泊は廃れて、ホスピタリティの高い民泊は活況を続けるということだろう。

※日本でいう「民泊」は、海外では「STR(Short Term Rentals)」と呼ばれています。また事業色の強いものを「Vacation Rentals」という表現もあります。

【 内 容 】
パンデミックの追い風を受けて、過去2年以上に渡り、驚異的な成長を続けてきたのが短期宿泊レンタル(STR)、いわゆる民泊市場だ。多くの旅行者が実際にその長所と短所を体験してきたが、ここにきて、STR予約の成長率が鈍化。宿泊需要のホテル回帰が起きている。

フォーカスライトが実施したSTR市場に関する最新調査レポート「Global Short-Term Rentals 2023-2027」によると、伸び悩みの背景には、以下の要因が考えられる。

ホテルはパンデミックで大打撃を受けたが、その分、リバウンド需要が活況を呈している。
業務渡航の復活。このセグメントは、主にホテルを利用している。
オフィス勤務の復活。旅行先で仕事するスタイルは、STR需要の追い風だったが、一時期よりも減っている。
主要マーケット(都市)におけるSTRに対する規制強化。
フォーカスライトのもう一つのレポート「U.S. Consumer Travel Report 2023」を見ると、特に米国で、ホテルへの需要回帰が鮮明だ。ホテル利用の発生率は、2022年時点でほぼ2019年と同レベル(66%と67%)に回復。これに対し、STRは2019年より低下しており、28%から25%に縮小した。

一方、欧州マーケットの状況は、もう少し複雑だ。「Europe Consumer Travel Report 2023」によると、英国では米国と同じようにSTR需要の伸びは鈍化しているが、フランス、ドイツ、イタリア、スペインでは、むしろ2019年より2022年の方がSTR利用の発生率がずっと高くなっている。ホテル対STRの市場動向は、地域ごとに異なる動きを示している。

オンライン対オフラインで見る世界のSTR総予約高(億米ドル)とオンライン浸透率(2021~2027年)
「Global Short-Term Rentals 2023-2027」では、STR市場について、世界全体での予測、地域や流通チャネルごとの動向、規制の行方などに関する調査結果をまとめている。