USJ再建の森岡氏・刀 沖縄テーマパーク「ジャングリア」 7年夏、〝執念〟の開業へ
(産経新聞 2023年11月27日)
https://www.sankei.com/article/20231127-SECNC2A5DBNSXIN34JOEOW2PSA/
(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=BSOxECdV3Ak

【ホッシーのつぶやき】
沖縄は失業率が高い。そしてヤンバルに近いこの地域はさらに高い。
沖縄の若年層の失業率は8.8%といい、全国平均の4.2%の倍以上となる。このテーマパークとここに近い名桜大学とは包括協定を結び、インターンシップをはじめ人材の育成にも力を入れるという。
非常に野心的な事業だが、地元との協働に時間をかけてきたこと、地元の活性化や大学から輩出された人材活用と多角的な視点があり、是非、成功してほしい取り組みだ。

【 内 容 】

(ジャパンエンターテイメント提供)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)V字回復の立役者、森岡毅氏の率いるマーケティング会社、刀(同市北区)が27日、沖縄県名護市と今帰仁(なきじん)村にまたがるゴルフ場跡地に新たな大型テーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」を令和7年夏頃に開業すると発表した。沖縄でのテーマパークはUSJの運営会社にいた森岡氏が構想し、同社は平成27年に沖縄進出計画を発表。菅義偉官房長官(当時)が応援を表明していたが親会社が変わり頓挫した。森岡氏は独立して刀を立ち上げ独自に計画を継続。その執念が実った。
「ついにここまで来たかという気持ちは1%くらいあるが、まだ何一つ達成していない。関係した皆さんの期待にこたえなければという逼迫感のほうが強まっている」。27日に記者会見した森岡氏はこう述べた。

ジャングリアはゴルフ場跡地120ヘクタールのうち、USJを上回る約60ヘクタールを整備する。世界自然遺産「やんばる」に近い立地を活かし、大自然の森林と最新テクノロジーを融合させたテーマパークとする。数十種類のアトラクションをそろえる予定で、投資額は700億円程度を見込む。
ゴルフ場跡地の残りの敷地は今後、ホテル開発を検討。沖縄でノウハウを構築後、将来ジャングリアの海外での多拠点展開を目指す。森岡氏は「新たな投資の呼び水になるはず。日本の観光や産業にも大きな波及効果をもたらす」と述べた。

沖縄は空路で4時間圏内に20億人を超える巨大市場があることから、アジアの富裕層の取り込みも狙っている。建設予定地から車で10分ほどの位置にある名桜大学とは2月にテーマパークを運営するジャパンエンターテイメントと包括協定を結び、4月には「国際産業観光科」が新設され170人超の学生が観光を学ぶ。テーマパークが完成したあかつきには在籍する学生の実践的な学びの場になる予定。

沖縄でのテーマパークに関しては、USJ運営のユー・エス・ジェイが27年、正式に沖縄進出を表明。官房長官だった菅氏が「政府内ではできるだけ応援したい」などと発言していた。
その後、ユー・エス・ジェイを買収した現在の親会社である米ケーブルテレビのコムキャストが難色を示したことから計画は中止に。計画撤回が発表された翌年の29年1月に森岡氏はユー・エス・ジェイを退社して刀を設立。
30年には刀が筆頭株主となり、沖縄事業の準備会社「ジャパンエンターテイメント」(沖縄県名護市)を立ち上げるなど、自治体や地元企業などの協力を得て計画を進めてきた。

ジャングリアは熱気球で大空からジャングルを眺めたり、迫りくる「恐竜」から逃げるため大型の装甲車で森を疾走したりといったスリル満点な体験ができる。
森岡氏は、森で遭遇する「恐竜」について「どこかのテーマパークよりえげつないものを持ってくる」などとUSJ「ジュラシック・パーク」への対抗心ものぞかせた。

森岡氏は、本物の興奮と本物の自然との相互作用の中で起こる「本物の贅沢」、この2つを組み合わせたコンセプトを『パワーバカンス』と呼び、沖縄には世界一の観光のポテンシャルがある。かつてアメリカ人がハワイに投資したように、日本人は沖縄に投資しなければならないという。

また、玄関口となる那覇空港には今年9月にプライベートジェット客専用のラウンジが設置された。沖縄は富裕層の取り込みで経済のさらなる活性化を目指している。