データで紐解くオンラインイベントのマネタイズのポイント
(COMEMO 2020年7月31日)
https://comemo.nikkei.com/n/n395f3a2f2628?fbclid=IwAR01-jKDdBiHvzpApE99SY6LkdrHtgaNwFdB4u5jj-BRqZR_I3EHiTHgu9g

コロナ禍で、リアルイベントが激減し、オンラインイベントが急増している。
オンラインイベントは「無料」にすることで「より多くの人にコンテンツを見てもしい」と考える主催者が多く、「オンラインイベントに不慣れ」を理由に無料する方も多いようです。
今後は「有料」も増えそうですが、オンラインイベントは2000円未満が多く32.8%と、リアルイベントより低いですが、申し込み数を増やすことで、採算を合わせる可能性になります。
どれだけ魅力的なコンテンツを提供できるかにかかってきます。

【ポイント】
コロナ禍の中、オンラインイベントの開催数がどんどん増えている。
Peatixの「オンラインイベントに関する調査」でも、オンラインイベントの増加は明らか。

オンラインイベントのマネタイズの状況の変化
リアルイベント開催が難しい状況下で、オンラインイベントの盛り上がりは明らかですが、「オンラインイベントでマネタイズ出来るか」という課題が多く聞かれます。
オンラインイベントの開催が増え始めた2020年2月-4月上旬、多くのイベントは「無料」でした。
コロナ禍初期は「この状況はゴールデンウィークの頃に終わるだろう」「短期間であれば、その間はファンづくりの為に無償でイベント開催しよう」と考えるケースが多かったと思われる。また「オンラインイベントに不慣れ」なことがあり、「配信に不手際があるかも知れないので課金は難しい」という考えも多くあったようです。

しかし、長期化を実感し始めると「コンテンツを永続的に無償で提供するのは難しい」「有料化を検討したい」と考える主催者が増えてきました。
Peatixにおいても、緊急事態宣言発令後の4月中旬頃から「有料」が増加していきました。
調査データでも、「オンラインイベントで売上をあげる方法として、実際にためしたもの、検討しているものを選んでください。」の質問に対し、下記のとおり回答されている。

ダントツで多かった回答は「有料チケットの販売」で66.7%でした。
オンラインイベントのマネタイズ方法として、注目されていたスマホ決済や個人間送金サービスを利用しての「投げ銭」は合わせて30.5%で、多くの主催者は「有料チケットの販売」をマネタイズの軸に考えているようです。

音楽業界ではサザンオールスターズがオンライン無観客コンサートを大成功に導いたり、世界を見てもタイではオンラインフェスが盛り上がり、収益化につながっているだけでなく、新たなファンの獲得に成功している。
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オンラインイベントの有料化に関しての意向調査によると

過去に有料イベントを開催していた主催者の中で、オンラインイベントも有料にすると答えたのは54.4%だった。「無料」は12.3%。有料・無料「どちらも」開催する主催者が33.3%となっや。
元々有料イベントの開催主催者の約9割はオンラインイベントも「有料化」に意向があるのです。
無料イベント主催者が、オンラインイベント開催時に「有料」にするケースも7.9%あり、オンラインイベントのマネタイズに関しては、主催者が試行錯誤していることが分かる。

「リアルイベントは有料で開催し、オンラインイベントは無料で開催」と回答した主催者に対し、「オンラインイベントを無料にする理由」を聞いたところ

「多くの人に見てほしい」が45.9%である一方、「有料チケットを売るのが難しい」が33.6%あることも分かった。

有料オンラインイベントの満足度
主催者が「有料」にすると「難しい」と考える理由は、「配信トラブルが懸念」「有料にすると参加者が少なくなるのではないか」「有料にした場合に参加者の満足が心配」などが考えられる。
有料のオンラインイベントの参加者は「不満足」だと感じているのでしょうか?

有料オンラインイベントに参加したことがある方の86%の方が「満足」しています。
理由は、「遠方から/自宅で参加できた」という参加しやすさや、「アーカイブが残る」などの理由が多く、今までよりも学びやすくなり、楽しむことができたとの回答が目立っています。

一方で、「有料イベントに参加しない」理由は

「無料でも十分に面白いイベントがある」が62%、有料オンラインイベントの最大の競合は、魅力的な無料イベントになります。

オンラインイベントのチケットの価格帯

リアルイベントとオンラインイベントの価格帯ですが、無料のイベントの割合はそれほど変わらないのに対し、オンラインイベントでは2000円未満のチケットが32.8%、リアルイベントの17%に対し低くなっています。
オンラインイベントでは、平均単価が低くなっても、申し込み数が増えることで、収益面がカバー出来るという点もあります。

まとめ
これまでデータを元にオンラインイベントにおける有料イベントの実態について見てきましたが、多くの主催者が不安に感じている「有料イベントにすると参加者が満足しないのでは無いか」という部分に関して、しっかりとコンテンツを提供することで問題が無いことが見て取れました。
オンラインイベントは低単価のケースが多いですが、会場代が掛からない、集客人数にキャパシティが無いことを考えると収益面もカバー出来ます。

これからも素晴らしいオンラインイベントが増えることを楽しみにしています。