12月31日の産経新聞に「なにわ筋線」に関する3つの記事が流れていた。

なにわ筋線開業で「大阪一極集中」深刻化も 増加傾向の大阪 神戸・京都は減少
https://www.sankei.com/article/20231231-CEIGFYWHQRJP5JWULTHJ5W7XZI/
姿見え始めた「なにわ筋線」 令和13年開業 再開発誘い経済効果 IRも取り込み
https://www.sankei.com/article/20231231-YP4PAV4UZBI4TJV3MV2TBXFQPM/
なにわ筋線を活用し近隣自治体にも誘客を 日本総研関西経済研究センター・藤山光雄副所長
https://www.sankei.com/article/20231231-4DEZDPY5FJPCZEBAZEWC7DLW3Q/

【ホッシーのつぶやき】
今、大阪の大改革が進んでいる。
2025年の大阪・関西万博、2030年頃のIR開業に向け、2031年なにわ筋線を開業させて、増加する人やモノの流れを円滑にする計画だ。しかし最近のマスコミの論調は、大阪に人やモノの流れが集中して他都市との格差が深刻化するという。
この論調は何を言いたいのか? 大阪・関西が凋落するのを防ぐため戦略的な発想が求められて、万博を誘致し、IRを誘致し、人やモノの流れを活発化させる戦略が立てられ、鉄道インフラの大改革として”なにわ筋線”が誕生するのだ。周辺都市もこの流れに沿った準備が必要だ。

【 要 約 】
令和13年に開業するなにわ筋線の開業により大阪市の魅力を飛躍的に高める。一方で大阪に人や企業、モノの流れが一極集中し、関西のほかのエリアとの〝格差〟が深刻化する懸念がある。

関西の国勢調査による令和5年12月1日時点の推計人口は、大阪市が277万3417人、神戸市が149万8825人、京都市が144万2588人だった。
なにわ筋線が乗り入れるJR大阪駅北側の「うめきた2期(グラングリーン大阪)」により「神戸を含む兵庫や京都から大阪に人が流れているため」。
大阪市は都市開発やマンション建設が進み、企業にとっても個人にとっても利便性がどんどん高まっている

大阪の〝一人勝ち〟が続けば、ほかのエリアが衰退し、関西全体では地盤沈下が進むことになる。近隣自治体も、なにわ筋線をいかし、自らへの誘客につなげるといった工夫が求められる。

「なにわ筋線」、大阪市中心部を南北に貫き、新幹線が停車する新大阪駅と関西国際空港のアクセスを向上させる新線は、同市内の再開発を誘発し、2025年大阪・関西万博後や、令和12年秋ごろの統合型リゾート施設(IR)開業による需要拡大も取り込み、大阪全域に大きな経済効果を与えることが期待できる。

なにわ筋線の新駅「南海新難波駅」が地下に建設される場所。
南海電鉄は、なにわ筋線開通を見越し、難波を中心とした「大阪・ミナミ」エリアの開発を強化している。7月には、日本初進出の高級ホテルやオフィスビルなどを備える新開発地区「なんばパークスサウス」を同市浪速区に全面開業した。
同社は難波駅―新今宮駅を起点とした沿線開発計画「グレーターなんば」構想を掲げており、7年3月期までの3カ年の中期経営計画で300億円を投資する。ビジネス客やインバウンド(訪日外国人客)をミナミに引き込み、梅田を含むキタに対抗する街へと育てる考えだ。

なにわ筋線の新駅「中之島駅」が開業する中之島周辺には国際会議場「グランキューブ大阪」、リーガロイヤルホテルといった主要施設が立地。今の交通アクセスは良いとはいえない。なにわ筋線の開業により利便性が高まる。
関西電力グループの関電不動産開発などは、6年、再生医療を中心に最先端医療が集積する「未来医療国際拠点」を、8年、高層マンション「シエリアタワー中之島」を開業させる。

なにわ筋線は、JR西日本と南海電鉄が共同で運営する。総事業費は3300億円。JR大阪駅から地下路線で中之島駅、西本町駅の2つの新駅を経由した後、南海新難波駅を経由して新今宮駅に向かうルートと、JR難波駅に向かうルートに分かれる。
開通すれば大阪と関西のほかのエリア、さらには海外とのアクセスが格段に向上することが期待できる。

京阪電気鉄道は自社の中之島駅と、なにわ筋線の中之島駅とを地下で乗り換えられるようにすることを計画。

阪急電鉄は新大阪駅、十三(じゅうそう)駅、大阪駅を通る「連絡線」を建設し、なにわ筋線につなげる方針だ。なにわ筋線と同じ13年に開業し、新大阪駅から関空まで急行を直通運転させる。

JR大阪駅の新ホームには、和歌山方面を結ぶ特急「くろしお」が停車し、奈良方面を結ぶ「おおさか東線」も乗り入れる。人の流れを大阪から関西全域へ向かわせることも可能になる。