訪日外国人等に向けた免税の制度が変わる?その内容とは
(MATCHA週間インバウンドニュース 2023年12月4日)
観光庁の税制改正資料
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/content/001587674.pdf

【ホッシーのつぶやき】
訪日外国人に対する消費税の免税制度を不正利用し、自国で転売する話はよく伝えられていたが、2022年に1億円以上購入した人の多くが日本国内で転売していたという。
今後、免税制度はEUなどと同様に購入時は通常通り支払い、空港などで申請・出国後に払い戻しされる方式にするように検討されるようです。不正転売防止を優先することはやむを得ない。

【 内 容 】

日本政府は、訪日外国人等に向けた免税制度について変更する方針を明らかにしました。

現在の免税制度では、購入時に消費税分を支払わずに購入することができます。

ただ悲しいことに、この簡易な仕組みを悪用して「転売目的」での購入に活用されてしまうケースが、以前から見られていたといいます。この様な現状から、2023年4月の免税制度の改正では、実際に免税制度を活用できる対象者を再定義して明確化していました。

<対象者の明確化>

・日本非居住者のうち、外国籍を有し「短期滞在」「公用」「外交」の在留資格を持っている方
・日本非居住者のうち、日本国籍を有し、2年以上日本以外の地域に居住していることを証明書類(「戸籍の附票の写し」または「在留証明」)で確認することができる方

<免税店側の判定の迅速化(利便性の向上)>

・「Visit Japan Web」で旅行者が旅券情報を事前に登録し、免税対象店で購入する際は、決済時に提示、店側はQRコードを読み取れば完了。(対象に当てはまらない人にはQRコードが表示されない仕組み)

※参考:国土交通省 観光庁 「令和4年度税制改正に関する説明会」資料

しかしながら、この改正がなされて1年も経たない内に、免税制度を再び改正する検討がスタートすると報じられました。これもやはり「転売」が原因。2022年に免税制度を活用し1億円以上購入した人の多くが、日本国内で転売していたということが分かりました。そもそも、免税品を国外に持ち出すのではなく、国内で転売している…というのは、「商品が国内で消費されないため税金を免除する」という免税の本来の趣旨には反しています。さらに、国内での転売対策が理由で制度の利便性が下がってしまうようなことになると、本来免税のメリットを受けられる対象である、日本で買い物を楽しんでくれる旅行客にとっては悲しいニュースですよね。

今後はシンガポールや韓国、EU諸国などと同様に、購入時は通常通り支払いを行い、空港などで申請・出国後に払い戻しされる方式を検討することで、この問題の解決を進めていくそうです。年内には方針が決定するとのことで、今後の動きもチェックしていきたいと思います。